風邪やインフルエンザの予防には水分補給とミント(ハッカ)が驚きの効果を発揮!

日ごとに寒さが増すこの季節、様々な身体の不調が急増する要注意シーズンです。冬に増える不調の予防・解消法として風邪を予防する効果的な方法を「名医とつながる!たけしの家庭の医学」で紹介していました。

風邪のひきやすさは免疫力だけじゃなかった

あなたの周りにいませんか?冬になると風邪をひきやすい人、反対にめったにひかない人。実は近年の研究で風邪のウイルスにさらされる同じ状況でもひきやすい人とひきにくい人にはある違いがあることが分かってきたという。

その違いは何か。教えてくれたのは感染症の名医東京女子医科大学病院 呼吸器内科教授 玉置 淳先生です。

「風邪をひくのは免疫が低下するという要素はもちろんあるが、むしろそれより大事なものがあり身体の中に生えている毛のパワーを落とさないことが重要」

風邪をひかない人は身体の中に生えている毛?さてどういうことなのでしょうか?

身体の中に生えている毛とは?

その毛の正体を探るため番組は「サッカリン検査」というものを行っていました。サッカリンという甘味料の粒を鼻の穴の奥に付着させ、それが喉の奥まで移動し甘みを感じるまでの時間を測る検査です。その様子をマイクロスコープで映した映像を見ると粘膜の上にお置かれたサッカリンの顆粒が奥の方へジワジワっと移動している様子が映し出されました。

サッカリンを奥へ奥へと運んでいるのが毛の正体。この毛こそ「線毛」とよばれ身体を風邪のウイルスから守ってくれるありがたい存在なのです。

線毛は私たちの鼻の奥から気管や気管支にかけてびっしりと生えています。そしてその長さはわずか1/100㎜と非常に短いのですが1秒間に15回という猛スピードで波打ち続けています。体内に入った多くのウイルスはこの線毛によって喉の奥へ奥へと運ばれやがて食道から胃に到達。身体に害を及ぼす前に胃酸で退治されてしまうというわけです。

つまり線毛がきちんと働いている人はウイルスの撃退がスムーズなので風邪をひかないということになり、反対に線毛のパワーが衰えるとウイルスが停滞し体内に侵入して炎症を起こし咳・喉の痛み、くしゃみ・鼻水といった風邪の諸症状を引き起こしてしまうというわけです。

冬に風邪をひきやすい理由は線毛の機能低下だった

実は線毛のパワーが衰えやすいのが冬なのだそうです。玉置医師によると「線毛の動きは様々な要因によって影響をうけ、温度が低ければ低いほど繊毛運動は弱くなりウイルスを運搬して排除する機能が低下する」のだそうです。

では夏と冬で線毛のパワーはどれだけ違うのか。番組は気温による線毛の働きの違いを確かめる実験をしていました。

実験は沖縄在住の一般のご夫妻にまずは気温26度の暖かい現地でサッカリン検査を行い時間を測定。まったく風邪をひかないという奥さんは6分4秒、かたやご主人は11分15秒。一般の方の平均が13分42秒とのことですのでお二人とも優秀です。線毛の働きはバッチリで風邪をひかないというのもうなずけます。そんな風邪知らずのご夫妻を今度は冬の東京にお連れし2日間の東京観光で寒さになじんでもらったあとでここでもサッカリン検査を実施。線毛パワーがどう変わったのか。その日の東京の気温は10.7度。結果はご主人が先で15.1秒、続いて奥さんが17分44秒。なんと前回よりおよそ12分も余分に時間がかかっていまったという結果に。もしこれが風邪のウイルスだとしたら気道に3倍長くウイルスが存在することになり細胞内への侵入を許しいつ風邪をひいてしまってもおかしくないという状態になってしまったわけです。

実際に風邪知らずだった奥さんが、わずか2日間の滞在で鼻の中がムズムズですっかり風邪気味になってしまったようです。

風邪のひきやすさの原因のもう一つは「水分不足」だった

線毛のパイオニアの玉置医師は「線毛の働きの低下は風邪をひく原因の大きな割合を占めており、線毛は暖かいほど活発に動く。冬に風邪をひく多くの原因は気温の低下による線毛の働きの低下であるが、もう一つ冬に線毛の働きを悪くする原因がある」といいます。

それは『水分不足』。暑い夏は水分不足になりがちですが、実は寒い冬でも水分不足になることが多いのだとか。

「冬になると空気が乾燥する。すると自分では気が付かないうちに皮膚や呼気から水分が出ていく。夏であれば喉が渇くので水を飲むが冬はジワジワ水分を失っていくので喉が渇く感覚がなく水を飲まない。結果として水分不足に陥ってしまう」のだそうです。

線毛の上には粘液があるが、線毛は粘液の水分ごと入ってきたウイルスを運び細胞への侵入を防いでいる。しかし水分不足になると粘液が減ってしまうのでウイルスを運べず細胞への侵入を許してしまう。たった1個のウイルスが侵入後16時間で約1万個、24時間後には100万個に増えてしまう。そのためウイルスを侵入させないことがとても大事になる。

線毛を元気に保つための水分補給のポイント

効果的な水分補給で劇的に風邪を予防した人たちがいます。いったいどの様に水分補給すれば効果的なのか。番組で紹介されたのは風邪をひきやすい環境なのにひかなくなった方々です。

その方々とは神奈川県横浜市のもみじ保育園の保育士さんたち。幼い子供の多い保育園は毎年学級閉鎖に追い込まれるなど風邪やインフルエンザなどが特にはやりやすい場所。かつては園の運営が危うくなるほど感染症に悩んだ同園の保育士さんらですが、なんと今では風邪をひくことがないという。

そんな保育士さんらの一日を密着取材すると行く場所・場所にマイ・マグカップを持ち歩き、こまめにこまめに水分補給をしていました。時間にしておおよそ1時間ごとにひと口ふた口の水を飲んでいるようです。前出のサッカリン検査でも保育士さんら10中7人が平均より早いという結果に。速い方では4分13秒という方も。

玉置医師によるとこれは非常によい飲み方で飲む量も丁度よいのだそうです。実は短時間に大量の水を飲むとすぐにおしっこになって排出されてしまい水分不足の解消にならない。1時間から2時間という時間をかけて少量づつを飲むのはとても良い飲み方。そして冬の脱水を補うには1日に1.5Lの補給が必要なのだそうです。

ミント(ハッカ)の香りを吸うと線毛が元気に

水分補給が風邪予防に絶大な効果があがることはわかりました。しかし寝ているときは長時間水分補給ができません。朝起きると喉がカラカラなんてことありますよね。寝ている間にも身体からどんどん水分が抜けていってしまっているのです。実際に番組が実験したところ風邪をひきやすいという被験者の方のサッカリン検査では日中のタイムが11秒31に対し、寝起きのタイムは21分25秒。水分不足の寝起きは線毛の働きがこれだけ落ちているんだということが確認されました。

でも大丈夫です。実は線毛を元気にさせる別の方法があったのです。

それが「ミント(ハッカ)の香りを吸う」こと。

イギリスの権威ある医学雑誌に掲載された論文に、ミントを吸うことで線毛の動きが活発になる実験結果が報告されています。ミントとは和名でハッカのことをいいそこに含まれる成分がメントール、いわゆるスースーする成分です。このメントールが線毛の働きを活発にさせるというのです。番組が用意したのはミントオイル、ドラッグストアではハッカ油として一般的に販売されているものです。

夜間の線毛を活性化させるものをミントオイルを使って作ります。まず一つ目はミントタオル。作り方はとっても簡単。

  • 洗面器に水をはりミントオイルを7~8滴たらす(入れすぎ注意)。
  • そこにタオルを浸し絞った何枚かを寝室につるす。

こうすることで揮発したメントールが線毛を活発にしウイルスから守ってくれる可能性が高まるのだそうです。さらにタオルの水分が湿度を上げるので風邪予防には一石二鳥というわけです。

二つ目はミントマスク。ミントオイルを1滴だけたらした霧吹きでマスクに2~3回スプレー、これをはめる。メントールの働きに加え、マスクが口腔内の湿度を保ってくれるのです。

さて、この二つを使っての就寝実験、効果はいかに。線毛は活発になったのでしょうか。翌朝起き抜けのサッカリン検査の結果は・・・?

なんと12分46秒!前日の21分25秒からの大幅短縮です。水分補給が自由にできる起きているときと同レベルの線毛の働きを維持できていました。

まとめ

  • 風邪をひきやすい人は免疫力だけでなく線毛の活性化が重要だった。
  • 空気か乾燥する冬場は知らず知らずのうちに身体の水分が失われている。
  • こまめな水分補給が線毛を活性化させ風邪の予防になる。
  • 水分補給できない就寝中はミントの香りをかぐことで風邪予防になる。

いかがでしたでしょうか。家族がインフルエンザになった時など水分補給とミント使いによって家族が全員・・・なんてことにならないようにしっかり防御したいですね!