「その調理9割の栄養捨ててます!」東京慈恵医科大学附属病院 栄養部著者/編集から調理の方法によってはせっかくの栄養を無駄にしてしまっている事例や、ふだん捨ててしまう材料の余りでもおいしくできる調理方法を日テレのスッキリで紹介していました。
アツアツご飯+納豆はもったいない
納豆にはナットウキナーゼという酵素があり、酵素とは体内でいろいろなものの分解を早くする物質である。本を監修した東京慈恵会医科大学府属病院の赤石先生によるとナットウキナーゼは70度以上の熱で壊れてしまう。アツアツご飯は70度以上あるのでナットウキナーゼの効果が失われてしまうのだとか。納豆を乗せるのなら40度~48度程度のごはんが最適なんだそうです。
番組ではMCの加藤浩次さんらが「それじゃごはんがぬるいよ。別々に食べたほうがいいね」などコメントされていました。
ブロッコリーはゆでるともったいない
ブロッコリーにはガン抑制効果が期待されるスルフォラファンが含まれ、スルフォラファンを活性化させるのにはミロシナーゼが必要。ブロッコリーにはそのミロシナーゼも一緒に含まれるのだが、ゆでることでミロシナーゼが失われてしまいスルフォラファンを活性化させられないのだとか。
ではどうするか。低温で蒸すのが正解。蓋をせずに蒸すと鍋の中が75度以上にならないのでスルフォラファンを活かせるのだそうです。
捨てがちな食材その①ピーマンの種とワタ
ここからは料理研究家のコウケンテツさんが実際に調理の様子を披露してくれました。
ピーマンの種とワタはそのまま味わうととても苦い。しかしその独特の苦みに栄養がある。赤石先生によると「捨てるなんてもったいない。ピーマンのワタには栄養が皮の10倍もある!」との事。苦味の成分のピラジンには脳梗塞予防、心筋梗塞予防、薄毛予防、美肌効果、代謝促進が期待できるのだそうです。
コウケンテツさんの調理方法は、中身だけ食べると苦いので「皮と身のおいしさを活かして丸ごと煮る」です。そこで紹介してくれたのが
「手羽中とピーマンの丸ごと煮」
- 材料>ピーマン8個、鶏手羽中8本、サラダ油少々、ニンニク1片
- 煮汁>オイスターソース、醤油・みりん・酒・砂糖 各大さじ1、水1・1/2カップ
作り方
- 下処理>味を染み込ませやすくするためにピーマンに竹串で数か所穴をあける
- 鶏肉に焼き色がついてきたら煮汁の材料を入れて煮立てる
- ピーマンを丸ごとフライパンへ
- 落し蓋をして弱火で15分くらい煮込んだら完成
ワタと種の苦味は消えて柔らかくおいしいピーマンになるそうです。リポートした森アナは「ピーマンが溶けちゃう!」とコメントしていました。
捨てがちな食材その②お茶をいれたあとの茶がら
茶がらなんて普通捨てちゃいますよね。そのまま食べると渋い!赤石先生によると「飲むだけじゃもったない。茶がらには7割の栄養が残っている!」との事。茶葉のビタミンCやカテキンは水溶性なのでお茶として飲めば摂取できるがβカロテンやビタミンEは脂溶性のため水に溶けず茶がらにほとんど残っているのだそうです。
そこでコウケンテツさんが紹介してくれたのは
「茶がらのチジミ料理」
- 材料>茶がら大さじ3、しらす30g、タマネギみじん切り1/4個、にんじんの細切り1/3本、レンコンの薄切り40g
- 生地>卵1個、小麦60g、上新粉40g、砂糖小さじ1、しょうゆ小さじ2、水100ml程度
- たれ>しょうゆ大さじ1、酢大さじ1/2、白いりごま小さじ1
タマネギはみじん切りにした方が栄養がよい。タマネギのアリシンは疲労回復効果があり細かく刻むと細胞が破壊され活性化する。水にはさらさない。加熱すれば辛みは消えるのでそのまま使う。
作り方
- タマネギはみじん切りに、ニンジンとレンコンは細切りにする
- 小麦粉と上新粉を混ぜて生地作り。上新粉がなければ小麦粉だけでもOk。生卵と水を混ぜ合わせる。
- そこに刻んだ野菜を加え茶がらを入れる。茶がらがバラバラな生地と野菜をつないでくれる。
- 多めのごま油で焼く。できるだけ中の空気を抜いてうすくカリッと仕上げる。弱めの中火で4~5分焼いてひっくり返す。
さっくさくでおいしいチジミの出来上がり!茶がらの渋みはすっかり消えるようで森アナからは、ごまの香ばしさ、生地のカリカリ、根菜のうまみ、最後におちゃの香りと味の四重奏!のコメントが。
捨てがちな食材その③セロリの葉
セロリは茎は食べるけど葉は普通捨ててしまいませんか?森アナが試食するとその苦味から悶絶の表情が。赤石先生によると「食べなきゃ損。セロリの葉は茎より栄養が豊富!」。セロリから摂れる栄養の中でもβカロテンは茎の2倍、血流を活性化するピラジンはそのほとんどが葉に含まれるそうです。そんなセロリの葉でコウケンテツさんが紹介してくれた料理は?
「セロリとアサリのスープパスタ」
- 材料2人分>パスタ160g、セロリ2本、アサリ250g、しめじ小パック、オリーブオイル大さじ2、白ごま大さじ2、しょうゆ・塩・粗びき黒コショウ 各適宜、鷹の爪2本、煮干しだし1・1/2カップ、ニンニク1片
作り方
- セロリを葉と茎に分ける。茎は細かく刻み、葉はざく切りに。太い茎は薄切りにする。
- しめじを縦に割く。割いて使うと香りとうまみが全然ちがいセロリの苦味も取ってくれる。
- 鍋に塩を入れてパスタをゆでる。同時にしめじを炒める。パスタのゆで時間は袋の表示の1分マイナスで
- 炒めているしめじにセロリの茎を加えしめじの香りを移す
- そこにアサリとセロリの葉を加え、パスタのゆで汁を加えて味付けする。ゆで汁を加えることで具材が塩分を吸いしっかり味が入る
- 煮干しだし汁を加えて煮立たせアサリの口を開かせる。
- ゆでたパスタ(袋表示マイナス1分)をフライパンに加えアサリのうまみ、キノコのうまみ、セロリの香りを入れていく
- 最後に風味付けにしょうゆとゴマを入れて出来上がり!
苦味が全くしない、人生で初めて食べた味!と森アナが絶賛。
まとめ
- 納豆は70度以上の温度でナットウキナーゼが壊れてしまうためアツアツご飯には乗せないほうがいい。
- ブロッコリーはゆでるとせっかくのガン抑制期待成分が抜けてしまうので蒸して使うのがいい。
- 捨ててしまいがちな材料の余りにも多くの栄養がある。ピーマンのワタ、茶がら、セロリの葉もおいしく調理できる。
今回は今話題の「その調理9割の栄養捨ててます!」をヒントにコウケンテツさんが具体的な調理方法を紹介してくれました。そんなに難しくなさそうでしかもおいしそうですね。ぜひチャレンジしてはいかがでしょうか?