通学バス待ちの小学生の列に刃がむけられるという悲しい事件が起きました。元官僚の高官が引きこもりの息子を殺める事件も起きました。
このような痛ましい事件を起こさないために私たちは何ができるのか。心理的に厳しい状況に置かれている人に対してどのように接してあげるべきかをモーニングショーで取り上げていました。
解説してくれたの中村カズノリ氏。家族問題やブラック企業被害者の相談にのるカウンセラー。自らも通り魔を決意しかけたという特異な経歴をSNSで発信した話題の人物。
中村氏はどんな経験をしてきたか。
彼は現在39歳。かつてシステム開発会社に勤務しており離婚も経験した。孤独な生活の中、仕事や生活のストレスから睡眠障害を発症。検査入院するも改善が見られず、朝起きられないことで月2~3回無断欠勤するように。結果、時短勤務になるなど待遇が悪化、収入も減る。自身は病気のせいだから仕方がないとその待遇に甘んじる一方で、上司からは「体調管理をしっかりしろ」と叱責され徐々に会社の人間に敵意を持ち始める。そしてついに会社の人事担当から呼び出され自己都合退職での退職届けを書かされる。そして一線を超える発想を抱くきっかけとなったのがこの時の人事担当の言葉。
「思いつめて自殺なんかしないでね(苦笑)」
中村氏はこの時 ❝何かがスッと覚める感覚❞ を持ち(なんで僕が、お前が死ねよ!)と思う。
そして発した言葉
「僕、自殺するくらいなら殺しますから」
これが殺害対象を頭の中で定めるきっかけとなった。「対象は朝決まった時間に起きて会社に出勤する人間」自分にできない事を普通にやっている人間。親しかった友人や人事担当は ❝繋がりがあるから❞ という理由で対象から除外。自分を分かって欲しい、病気の苦しさを分かって欲しいという気持ちもある一方で怒りの対象を排除することで自分を守ろうとした。
貯金もゼロになった。いよいよ切羽詰まったという時に離婚の際に相談していたカウンセラーに電話し会社をクビになったことを伝えた。すると思いもよらないカウンセラーの言葉が中村氏に。
「あら、おめでとう!」
正確には「あら、おめでとう。新しい仕事できるじゃない!」カウンセラーは会社を辞めたら自分の負けだ、もうおしまいだという中村氏の強い思い込みを感じ、そうじゃないよ、会社が全てじゃないよ、という重い呪縛から解き放ってくれる言葉だった。
中村氏はこの時、会社の人間への殺意やもう働く気がしない事などを吐露。
するとカウンセラーは
「よく殺さなかったねぇ。すごいよ。働かないのもそのうち飽きるから大丈夫!」と。
ここでようやく中村氏は自分の間違いに気付いた。自分の感情を受け止めてくれてくれたことが一番大きかった。希望が見えたことで殺意の要因が大したことないと感じるようになった」
今思う、中村氏があの苦しんでいた時に言ってほしかった言葉は
「大丈夫だよ」
その言葉があれば殺意を抱くこともなくもう少し頑張れたと思う、と語った。
このような経験を経た中村氏はカウンセリングのポイントを次のようにまとめました。
「人それぞれ苦しんでいる理由はちがう。その苦しんでいる理由を教えてくださいと伝える。理由を聞いたうえで共感することが大事。」
コメンテーターの玉川氏はこの話に大きく共感したようで「大丈夫だよ」の言葉が身近な人に言ってほしい一番効果的な言葉だと重ねて強調していました。
【管理人の感想】
今回とても重いテーマに対しての番組でした。身内に心を閉ざしている人がいるような場合でなくても、例えば子育てなんかにおいても「大丈夫だよ」の言葉を使っていきたいと思いました。子供が何か壊してしまったり失敗してしまったりした時、ともすると怒ったり叱ったりしてしまいがちな場面です。本人に反省の色が見えていたなら、逆に「大丈夫だよ」の言葉をかけてあげることで子供がどれだけ救われるかなと。今回この重いテーマでの投稿には躊躇しましたが「大丈夫だよ」を忘れないためにアップさせていただきました。