人間ドックならぬ『歯科ドック』で虫歯や歯周病を早期発見

痛くなったら行くのが歯医者さん。これからは痛くなる前に行く場所になるのかも知れません。それが今話題となっている歯の予防医療『歯科ドック』。最新機器を取り入れたという驚きの歯科ドック。いったいどんなものなのか日テレのスッキリが紹介していました。

歯科ドックって何?

近ごろ歯科医の治療に対する考え方が変わってきているという。教えてくれたのは歯科医師八木優子院長。

「虫歯だったら削っておしまい、歯周病だったら治しておしまいという時代は終わった。これからの時代は人それぞれ抱えている口腔内のリスクは違うのでそのリスクを把握するとが大事。それがわかるのが歯科ドックです」

自覚症状がない異変を早期発見するのが歯科ドック。歯を削ったり抜いたりなどの治療を減らすことができる。ただし保険適用外なので料金は少し高め。番組で紹介していた歯科医院では90分コース27,000円、120分コース37,000円などと設定されていました(参考)。

番組が取材したのは杉並区の予防歯科専門「グラーツデンタルケア」。ここで検査できるのが次の項目。どれも簡単に受けられるのが特徴とのこと。

唾液検査

唾液の成分を調べることで虫歯になりやすいかどうかが分かるのだそうです。口を水ですすぎ唾液を含ませ試験紙につけ機械にセット。最新機器では5分ほどで結果が得られ虫歯菌の多さ・唾液の酸性度・酸に対する抵抗力などが分かります。唾液の酸性度が高いと虫歯になりやすい。物を食べると酸が必ずでるので食べる回数を減ら(間食を減らす)のが有効とか。

口腔内細菌検査

そもそも口の中には種類として500種類から700種類、数にして1000億個以上の菌が生息しているのだとか。歯周病が悪化すると増殖する菌が「スピロヘータ」、虫歯の人に見られるのが「桿菌」。歯垢を採取し顕微鏡にセットしこういった菌がどのくらいいるのかを調べ口腔内のリスクを調べる。菌が多い場合はバクテリアテラピーといって善玉菌を投与し虫歯菌・歯周病菌などの悪玉菌の比率を減らすことも対策できる。他にもマウスピースに抗菌剤を塗って直接口腔内細菌に作用させて除菌する方法もある。

口臭検査

口臭には主に3種類の臭いがある。

  1. 腐った卵の臭い系→口腔内の汚れ。舌に付着した舌苔からはこの臭いが。
  2. 腐ったタマネギの臭い系→歯周病の可能性。
  3. 生ゴミの臭い系→内臓疾患の疑い。

専用の器具で息を吸い取り機械で測定。5分くらいで結果がでる。臭いのタイプによってリスクが分かる。汚れによる臭いであれば舌ブラシで舌苔を取ることで対策できる。

精密虫歯検査

レーザーを使ってごく初期の虫歯でも発見できる。早い段階で見つけられれば今では削らなくても治療できる方法がある。以前治療した詰め物と歯の間に虫歯ができることがあり肉眼やレントゲンでの発見は難しいものでも見つけられる。

まとめ

  • 自覚症状がない異変を早期発見するのが歯科ドック。
  • 検査によって人それぞれが持つリスクを知ることができる。
  • 保険適用外なので検査費用は少々高め。
  • 歯科医院にもよるが唾液検査・細菌検査・口臭検査・精密虫歯検査などがある。

このように歯科ドックによって大切な歯を将来抜かなくて良いように、削らなくてもよいように事前に人それぞれのリスクを調べることができるようになりました。しかし医院によってプランや検査機器のあるなしがあるでしょう。歯科ドックに興味のある方は事前に歯医者さんに相談されるのがよいでしょうね。