『ひるおび』で遺産相続のこれってどうなるの？っていう具体的なケースに対し八代弁護士が法律的にどうなのか説明・解説していたのが興味深かったので記録しておきます。
≪問題≫
私はミホです。先日と歳の離れた資産家の夫が亡くなりました。夫には子供も兄弟もおらず私と家政婦のマサヨさんの2人で夫を見取りました。そしてある日、夫の遺品を整理していたら遺言書を発見しました。中を見てみると「長年世話をしてくれた家政婦のマサヨに遺産を半分譲る。そして残りの半分を妻ミホに譲る」と書いてありました。
この遺言書さえなければ遺産は全て妻の私のものになるはずなのに。そう思った私はとっさに遺言書を隠してしまいました。しかし数ヶ月後、遺言書を隠していたことがバレてしまったのです。こんな悪事を働いた私ですが遺産の半分をもらうことはできるのでしょうか？
さて、自分に不利な事を書いた遺言書を隠した妻がもらえる遺産は次のどれ？
- 遺言書通りもらえる
- 減額される
- ゼロ（もらえない）
≪八代弁護士のジャッジ≫
答えはゼロ。まったくもらえない。
八代弁護士によると
民法 第891条 相続人の欠格事由＜参照＞
次にあげる者は相続人になることができない。
- 遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿（隠す）した者
- 遺産所有者を詐欺ま脅迫して遺言させたり遺言を変更させたりした者
- 故意に遺産所有者を死に至らせまたは死に至らせようとしたために刑に処せられた者
殺人・殺人未遂・殺人の教唆（そそのかして他人に殺させる）、殺人に共謀共同正犯（主となって計画を立て他人に殺させる）などで実刑判決を受けた者（執行猶予は除外）
自分と相続する遺産の取り分が同じまたは自分より取り分が多い人を死に至らせまたは死に致させようとしたために刑に処せられたも者、など。
今回のケースはチョットした出来心といってもいいかも知れないが遺言書を隠しても殺人と同様に相続人の資格を失う。
遺言を残した方の最終意思をそれだけ尊重しようという法律の趣旨です。従って遺言書を隠したら妻がもらえる遺産はゼロになる。
そしてこれだけは覚えておこう！
遺言書を見つけたら絶対に勝手に開けてはダメ！
民法第1004条3項＜参照＞
封印のある遺言書は家庭裁判所において相続人またはその代理人の立ち合いがなければ開封できない。
「裁判所以外で勝手に開封すると5万円以下の過料」となる。
【管理人の感想】
両親が健在な管理人には遺産相続はまだ先でしょうが、遺言書って裁判所で開封しなくちゃならないんですね。知らなかった～。知らなかったら開けちゃうかもね。あぶなあぶな。
