風邪をひいた時、したらいい事、悪い事

「あなたの国では風邪をひいたら何をしますか？」

この問いを100ヵ国の外国人にアンケートし、その効果のあるなしを日本の専門医がジャッジするという内容を放送していました（日テレ：百聞！ザ・ワールド）。その中から風邪に実際に一理あると判断された内容を紹介します。その中には日本ではダメとされていることも！？

風邪をひいたらお風呂に入る？

風邪をひいたら熱い風呂に入る（デンマーク）
風邪には温かいお風呂に入るのが最高（カナダ）

「風邪をひいたらお風呂はやめなさい」と日本ではよく聞きますが？

教えてくれたのは風邪のスペシャリストとして紹介された大竹先生（おおたけ消化器内科クリニック院長）です。

風邪の原因であるウイルスは熱に弱い。そして私たちの免疫細胞は熱が高い方がしっかり働いてくれる。熱が出るのは風邪を治すための正常な反応の証。それを助ける「風呂に入る」のは一理ある。イタリアでは病院に行くと治療を目的に温泉に入ることも勧められる。

のだそうです。ところで日本では逆に「風邪をひいたら風呂にはいるな」と言われているのは、古くの日本家屋の特徴からそう言われるようになったようです。日本の古くはお風呂が離れにあったため、せっかく温まっても家に入る前に湯冷めしてしまう。それが逆効果ということが言われの始まりのようです。

足の裏を温めると風邪に効果的

ニンニクをスライスし足の裏に貼って靴下を履く（オーストラリア）
温めたオリーブオイルを潮に混ぜて足の裏に塗る（アメリカ）

これらは足裏を温める効果があり体を温めるのに効果的。大竹先生によると足の裏には体温を調整するセンサーがあるのだとか。足湯なんかでも足の裏を温めると体全体がポカポカしてくる。冷え性の方が厚手の靴下で足を温めると体が温まってくる。このように足の裏を温めることで体全体を温めることができるということです。その様子をサーモグラフィーで確かめるの実験映像を紹介していました。手の平を温めても手が暖かくなるだけに対し、足の裏を温めると体全体が温まっていく様子が映し出されていました。

カイロが欲しくなる寒い冬場は手よりも足元カイロを使うと効果的かもしれませんね。

汗をかくと風邪が治る？

「風邪をひいてしっかり寝ると翌朝汗をいっぱいかいていてずいぶん体調もよくなっている」こんなことってよくありますよね。でも実は汗をかけば治るというのは間違いなんだそうです。

大竹先生によると「汗をかいたから風邪が治ったのではなく、風邪が治ってくると汗をかく」のだそうです。なので無理やり汗をかいても治るわけではなく、むしろ脱水のリスクが高くなるのでやらない方がいい。インフルエンザで40度の熱があるときは汗をかかない。暖かくして寝るのは良い事だが、汗をかこうと無理してはいけないそうです。

風邪をひいたときに飲むといいもの

世界中には様々な風習があるようです。アルコール度の高いお酒を飲む（リトアニア）、生卵をのむ（ケニア）、ニンニク入りのハンバーグを食べる（デンマーク）・・・。

様々な回答の中から専門医が一理ありと効果を認めたのはただ一つ。

「風邪をひいたらチキンスープを飲む（複数国）」

チキンスープに含まれるカルノシンという成分が白血球の働きを高めてくれることが分かっている。ウイルスや菌を退治してくれるのが白血球の働き。カルノシンが白血球の移動を抑えその場所にとどまらせて風邪が早く治るのではないかと考えられるようになった。

栄養学知見から教えてくれたのは佐藤先生（食物学博士）。チキンスープの中にはイミダゾール・ジ・ペプチドという抗疲労物質が含まれている。これは鳥類全般に多くみられる物質で、この物質のおかげで長距離を飛び続けられると考えられている。魚類ではカツオやマグロにある。これらを風邪の時に摂ることはプラスであろうと考えられる。

チキンスープの作り方