解決!これで朝スッキリ起きられる!~従来の常識は間違いだらけ~

昨年は『睡眠負債』という言葉がはやりました。慢性的な睡眠不足は現代社会の人々共通の問題かも知れません。そして睡眠不足とくれば朝もスッキリ起きられず苦労している人も多いはず。実は朝スッキリ起きるための知られざる法則があったのです!そんな睡眠の真実・目覚めの最新の考え方をNHK総合の『ガッテン!』紹介していました。

番組冒頭で寝起きの様子をVTRで紹介された奥さん。スマホのタイマーが鳴っても、二度寝、三度寝…なかなか起きられません。

別のご家庭では、小学生の男の子。母親が毎日起こしにいくけれど、なかなかスッキリ起きてくれません。

この2人、番組の最後には起きられるようになるのでしょうか?

今、特殊な機能を持った目覚ましアプリが大人気!

実は今、ある特殊な機能をもった目覚ましアプリが世界中で大人気なんだそうです。

街のアンケートではこれらアプリを使っている人が目覚めの良さを語っていました。

  • 起きた時スッキリしている感は結構感じている。
  • 起きるのがすごく苦手なんですけど起きやすくなったかなと実感している
  • 朝苦手なんだけど、これ使うとけっこう起きられたりするので重宝している。
  • 1年くらい使ってます。スッキリ起きられる気がします。

などなど使っているアプリはそれぞれのようでしたが皆さん総じて満足の様子。

ちなみにTV画面に映った街の人のアイコン画像から当サイト管理人がアプリ名を調べてみました。

  • Sleep Meister
  • Sleep Cycle alarm clock
  • Sleep Better

番組によるとこれらのアプリにはある共通の機能が備わっているようです。一体どんな機能が備わっているのでしょうか。まずはすっきり起きられる条件を検証していきます。

90分サイクルに合わせればスッキリ起きられるというのはウソだった!

レム睡眠・ノンレム睡眠というワードを一度はどこかで聞いたことはありませんか?レム睡眠は浅い眠りの状態で、ノンレム睡眠は深い状態。この周期が90分サイクルで回ってくるという説。90分サイクルで眠りの浅いレム睡眠が訪れるためそのタイミングで起きればスッキリ起きられるという考え方で、日本だけでなく、フランス、韓国、ニュージーランドと世界中で信じられているようです。

とすれば、スッキリ起きられるタイミンングは90分の倍数。最低限の睡眠時間を確保すれば、つまり6時間、その次は7時間半ということになります。

そこで番組では実際に2人のスタッフを使ってきっかり90分サイクルとなる6時間後におこす実験を行いました。

しかしどうでしょう。スッキリ起きられない2人。ならば今度は2人とももっと体を疲れさせて眠らせたらどうかと再実験。しかしこれも寝起きの悪い結果に。

番組が2人にセットした脳波計を解析すると、なんとレム睡眠が90分おきには来ていないことが判明。2人とも、また1回目と2回目でも周期がちがうという結果。そして実際に起こされたタイミングはレム睡眠中ではなかったのです。

この結果について睡眠の専門家、睡眠評価研究機構代表の白川修一郎先生によると

「90分サイクルで起きれば良いというのがそもそも都市伝説。日によって、人によってレム睡眠のサイクルはかなりバラバラ」睡眠の専門家の間では常識なんだとか。

30年ほど前の実験で20名で5回、延べ100人分のデータでレム睡眠の発生を調べたところが都市伝説の始まりらしい。バラつきがある結果だったがなかでも90分周期で出る人が一番多かったということで、そこだけがクローズアップされてっしまったらしい。

さらにレム睡眠(浅い眠り)ならスッキリ起きられるという前提も間違っていた!

番組はさらに新たな真実を解明していきます。浅い眠りのレム睡眠状態で目覚めれば『眠りが浅いから起きた時もスッキリできる』という前提すらも違っていたことにたどり着きます。

『睡眠の臨床』東北大学教授 大熊輝雄 は睡眠額の教科書。ここに「睡眠中に音がしたときにどれくらい反応できるか?」という実験の結果が載っており、この教本によると音刺激への応答率は、起きている時を100%とすると

  • 覚醒時            100%
  • ノンレム睡眠(深い眠り)10%
  • レム睡眠(浅い眠り)     8%

なんと眠りが浅いにも関わらず音に対する刺激はレム睡眠時のほうがむしろ鈍いとの記載。番組がスタッフで実験しても同様の結果に。理由としてはレム睡眠時の人は多くが夢の中で、脳は活発に働いているが夢の世界に入りこんでいるため外の情報からは遮断されているからなんだそう。そのため無理に起こしても目覚めは良くないことが多いということだ。

睡眠には目覚めに関係する別のゾーンがあった

この教本には音に対する別のデータが載っていた。前述の反応データはある条件時の同じ音にどのくらいで反応できたかというデータであったが、あると特殊な時間帯にはは90%の反応を見せたという。

  • 覚醒時            100%
  • (            )時      90%
  • ノンレム睡眠(深い眠り)10%
  • レム睡眠(浅い眠り)     8%

この(  )時のことを番組はゴールデンタイムと名付けていました。ゴールデンタイムは就寝中にも関わらず起きている時に近い率で音に反応できてしまう。そしてゴールデンタイムはレム・ノンレムの周期に関わらず、訪れる回数も1回の時間の長さも頻度も不定期にやってくる。あっという間に終わる時もあれば何分間も続く時もある。

そして番組はまたも計測器を用いて実験。ゴールデンタイムに起こしたらどうなるか。

なんと音がなった直後にすぐにスッキリとお目覚めの様子。被験者によると「寝てなかった気がする」「ディレクターが起こしに入ってきた気配をすら察知していた」という。

前出の白川先生によると「これは昔から分かっていたことで、かなり目覚めに近い状態。電車で居眠りしていても降りたい駅前で目覚めるような、寝ていても外に意識がむけられた状態」なのだそう。自分でこの時間帯を調べることはできないが、ゴールデンタイムになると寝返りなどの体動という反応を示す。またゴールデンタイムは規則正しい生活をしているといつも起きる時刻付近になると頻繁に発生するようになってくることも分かっているという。

目覚ましアプリは体動を感知する

実は冒頭で紹介の目覚ましアプリが共通してもっている機能がスマホの体動感知機能。従来ではご家庭でご自身のゴールデンタイムを知るすべはなかった。しかし現代ではスマホという文明の利器を枕元に置き、目覚ましアプリをセットしておくことで、体動を感知しそのタイミングで鳴って起こしてくれるというわけだ。ただしすべてのアプリが体動感知機能を持つわけではないのでご注意を。白川先生いわく、スッキリ起きられるためには最低でも6時間の睡眠を確保し、それ以降のゴールデンタイムのを察知するように設定するととが大事という。

この方法ならアプリが無くてもスッキリ起きられる!

世界最高峰の睡眠研究機関スタンフォード大学の睡眠生体リズム研究所で所長を務める西野精治先生という方がいる。30年以上睡眠を研究されたどり着いた目覚めの秘訣を最後に紹介します。

西野先生が提案するのはボリューム付きの目覚まし時計。レム睡眠中でもノンレム睡眠中でも神出鬼没に現れるゴールデンタイムの特徴を生かした目覚め方です。

ゴールデンタイムがやってくると深い眠りについているノンレム睡眠中であっても『かすかな音』を感知できる。大きなベルの音を鳴らせればぐっすり寝ている最中でも無理やり起こされてしまう。そうなれば目覚めは最悪だ。しかしか『かすかな音』であればゴールデンタイムでなければ感知できない。逆にかすかな音に感知できる時がゴールデンタイムなわけだからだ。そしてゴールデンタイムは最低でも20分あれば1回はくるはずということ。

方法はいたって簡単。

  • 目覚まし時計を2つ用意する。
  • 1つ目は起きたいと思う時刻より20分前にかすかな音が鳴るようにセット。
  • 2つ目は、絶対に起きなくてはならない時刻に大音量でセット。

これらがうまく働けば、起きる時刻が多少早くなったとしても、すっきり起きられるゴールデンタイムに目覚めることができ、最悪そのタイミングで起きられなくても2つ目の目覚ましで強制的に起きられるというわけです。音量調整ができなければ目覚まし時計をタオルでくるんだりすれば良いとのこと。

番組冒頭の寝起きの苦手な奥さんも男の子もこの方法でスッキリ起きられた様子も最後に紹介されていました。

まとめ

  • 起きやすい睡眠のサイクルは90分単位ではなかった
  • スッキリ起きられる本当のタイミングが別にあった
  • そのタイミングは体動(寝返りなど)でわかる
  • スマホの目覚ましアプリで体動感知のタイプは有効
  • 小さな音で目覚ましセットすれば良いタイミングで起きられる

【管理人の感想】

少し前に見た番組でしたが、これは記事の残さねば!と思わされた興味深い内容でした。管理人はいつも目覚ましをセットしている時間の、目ざましが鳴る数十秒、数分前に目が覚めるという事が良くあります。これはゴールデンタイムが起きる時間に合わせて来ているということなんでしょうね。で、先に起きている妻のかすかな音に反応して起きていたってことなんですね。妙に納得できる有意義な話でした。